究極の血抜き

誰でもわかる津本式究極の血抜きコラム⑤熟成工程

ユタ
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さて、もはやこちらがメインじゃないかと噂される究極の血抜きコラムです。

過去のコラムは下記リンクからご覧ください(/・ω・)/

誰でもわかる津本式究極の血抜きコラムまとめ

ここまでで、脱水工程までご紹介してきました。 あとは、保存して熟成させるだけとなります。 津本式究極の血抜きの本懐は、血抜きであり熟成ではありません。ただ、究極の血抜きをすることによって、長期熟成が可能になるので、ある意味セットで捉えられます。

まずは、熟成をするための前段階である梱包についてご紹介します。

この辺の内容なのですが、作業に没頭しているのでどうしても写真がありません。そのため、津本さんの動画のキャプチャーでご紹介している部分も多いですがご了承ください。

津本 光弘:釣った魚の究極の保存《其の壱》vol.25 丸のまま保存する

脱水が終わったら、魚体についている水分をしっかりとってあげましょう。神経質になる必要はありませんが、水分が多いと痛みの原因になります。水分を取る方法としては、キッチンペーパーを使ってもいいのですが、消費が激しいです。

このようにタオルでふき取るか、

津本 光弘:釣った魚の最適な処理編 vol.111

布巾で拭き取ってあげましょう。僕はどちらかというと布巾派です。このタイプの布巾なら100均で6枚100円くらいで売っています。絞るのも簡単で乾くのも早く、洗って再利用できるので重宝しています。

なお、水分を拭き取るときは、お腹の中も軽く拭いてあげることを忘れずに。

津本 光弘:釣った魚の究極の保存《其の壱》vol.25 丸のまま保存する

魚の水分を拭き取ったら、紙に包みます。よくこの紙がどこで買えるか質問する方がいらっしゃいます。僕は知り合いから譲ってもらいましたが、市場近くの道具屋などでも買えるようです。また、ヤフーとかでも売っています。

ただ、必ずしもこの紙にこだわる必要はありません。自宅にあるような新聞紙や、広告なんかで問題ないのです。手軽に安く買えるならこれでもいいと思いますが、そうでなければここにお金をかけなくてもよいでしょう

魚をこの紙で包む一番の目的は、袋が破けないようにすることです。魚には鰭があるので、そのまま袋に入れると、袋が破けてしまう恐れがあります。それを避けるのが一番の目的なので、紙は何でもいいのです。

津本 光弘:釣った魚の究極の保存《其の壱》vol.25 丸のまま保存する

紙に包む前に、キッチンペーパーやリードペーパーを間に挟みます。20分程度の脱水をしたとしても、まだまだ魚の内部に水分が含まれているので、出てきた水分をキャッチするために必要です。

プロ用のリードペーパーもいいですが、我が家では家庭用のキッチンペーパーを使ってます。

津本 光弘:釣った魚の究極の保存《其の壱》vol.25 丸のまま保存する

そして、お腹の中にもペーパーを入れておいてあげましょう。必須というわけではありませんが、ここからも水分が出てきます。

津本 光弘:釣った魚の究極の保存《其の壱》vol.25 丸のまま保存する

こんな感じで紙に包んだら、袋に入れます。

津本 光弘:釣った魚の究極の保存《其の壱》vol.25 丸のまま保存する

袋も何でもいいです。なんだったらゴミ袋でも構いません。ただ、若干厚いものにしておくと、破れにくいでしょう。

魚を袋に入れたら、内部の空気を抜いて弱真空にしていきます。弱真空にすることで、魚が空気に触れにくくできるので、酸化を遅らせることができます。

津本 光弘:釣った魚の究極の保存《其の壱》vol.25 丸のまま保存する

もっとも簡単に弱真空にさせる方法は、ホースを使って吸い出すことです。上の画像の左上にあるようなホースで空気を抜きます。ホースは、耐圧ホースで表面がすべすべに加工されているやつだと、袋から抜きやすくて簡単に弱真空にできます。普通のホースだと、袋に引っかかって少しやりにくいです。

津本 光弘:釣った魚の究極の保存《其の壱》vol.25 丸のまま保存する

また、その他にも、ハンディクリーナーを使って空気を吸い出しているケースもあります。こっちだと肺活量も必要ないのでとっても簡単です。ホースでも別に辛いほどではないのですが、、、大型の魚になると少しは大変…?

津本 光弘:釣った魚の究極の保存《其の壱》vol.25 丸のまま保存する

ある程度空気を抜くことができたら、空気が入らないようにしっかりと閉じましょう。

津本 光弘:釣った魚の究極の保存《其の壱》vol.25 丸のまま保存する

2回くらいしっかりと縛っておくと安全です。

僕は同様にホースを使って弱真空にすることもありますが、

このように家庭用真空パック 機 を使うこともあります。この真空パック機は[ソフトモード」があるので、魚にやさしい弱真空も可能です。

ホースを使うか、真空パック機を使うかは、気分と保存方法によって使い分けています。

ここまでで保存準備が完了です。ちょっと長くなりましたが、結構大切なものなのでご了承ください。ここからいよいよ寝かせに入ります。

津本 光弘:釣った魚の究極の保存《其の壱》vol.25 丸のまま保存する

魚を寝かせるのに一番いいのは、プール保管(水中保管)です。水中で保管することで、魚がストレスフリーな状態で熟成させることができます。

一般的に、魚というのは上の画像のように左側が頭で並べられて売られています。このまま保存しておくと、重力によって下側の身にダメージを与えてしまうのです。そのため、客商売として魚料理を提供するプロの料理人の方たちなどは、下側の身はそもそも刺身にしない、もしくは身質が悪くならないうちに早めに使ってしまうということを意識していることも少なくありません。

4日から、時として2週間以上熟成させる場合は、このまま保管していると魚にとって良くありません。それを防ぐためにプールの中に入れて熟成させるのです。

また、水中保管することで、魚全体を均一に冷やすことができます。これによって長期的に保存することが可能となります。また、急激な温度変化も起こりにくいので、ストレスを与えにくいででしょう。

さらに、弱真空プラス水中に保管しておくことによる水圧で、魚の内部にある余計な水分の脱水を促進することができるのです。前回の脱水工程において、第一段階と書いたのは、ここで第二段階の脱水工程が熟成と同時に行われるからとなります。

このような意味でも、水中保管が適していると考えられています。なお、温度としては、3~5℃前後。魚が浮いてこないように水面にタオルケットや毛布、厚手のタオルを浮かべておくとより効果的です。

ただ、家庭での熟成の場合は、この環境まで構築するのは非常に大変です。そのため、魚によりますが1週間程度の熟成であれば、水中保管ではなく、普通の冷蔵庫保管でも不可能ではありません。

ただし、その場合は、定期的に上下を変えたり、ストレスがかかりにくいような保管方法、そして十分な温度管理を意識するようにすると失敗しにくいです。

このあたりについては、また別のコラムで詳しく書きたいと思います。

ちなみに、アジ、サバなどの小型の魚の場合は、上の画像のように、袋に水を入れて密封して冷蔵庫保管をするのも可能です。ただ、水がこぼれないように十分気をつけましょう。奥さんや旦那さんに怒られないようにすることが重要です。

ここまでの5回のコラムで、魚を手に入れた当日の一通りの処理についてご紹介させていただきました。

ただ、まだまだ書くことはありますので、ネタがある限りは適時更新したいと思います。次回は、よく質問に上がりやすい、「熟成期間」についてご紹介します。

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アウトドア好き
釣りやキャンプなどのアウトドアが大好きなおじさんです。 2021年に中国駐在を始めてからはロードバイクで体を鍛えています!
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