誰でもわかる津本式究極の血抜きコラム②ノズルの必要性
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さて、先日申したように両親が大阪からきていたので、カヤックフィッシングに行けていません。
なので、前回に続いて、津本式究極の血抜きについて、またごちゃごちゃと書いていきたいと思います。
今回は、前回「なくてもできるよ!」と書いたノズルについてです(/・ω・)/
ぶっちゃけ、なくてもいいのですが、ノズル工程をすることで、究極の血抜きをより効果的に、効率よく行うことができるようになります。
津本式究極の血抜きにおいて、ノズルの役目は次の2つです。
①神経抜き
②動脈中心部のおおざっぱな血抜き
最初にやり方について簡単に書きます。
まず、魚を脳天締めして、尾側の骨を切断して、神経を抜きにいきます。
綺麗な状態で魚を残しておきたいなら、皮一枚残しておくといいのですが、特に気にならないなら、すべて落としてもいいです。
尾を落とすときに、ケチってしまうと、血管が小さくて作業がしにくいので、思い切って切るようにしましょう。目安としては、背びれの端ぐらいを目標にしてください。
釣りをしている方なら、もう書く必要もないと思いますが、背骨の上側に神経が通っています。
釣りの現場ですでに神経抜きをしてる方も多いと思いますが、再度やってNGということはないので、僕はだいたい神経抜き工程も行っています。
脳天締めがうまくいっていると、脳天締めした孔から神経が出てきます。
脳天締めの具合で神経が出てくる出てこないがあるので、神経が出てこないからといって失敗ではありません。脳天締めの孔から水が出てくればそれでOKです。
次に、背骨下部分の動脈から血抜きを行います(/・ω・)/
尾側からノズルで作業をしていると、身が徐々に張ってくるのがわかると思います。最終的にパンパンになるくらいで、エラ側から血と水が流れてくるので、終了します。エラの切り方によっては、ここであまり血が出てこないこともあるので、血が出てくるのかどうかを目安にするのではなく、尾側の背骨部分が張ってくるかどうかを目安としたほうがわかりやすいと思います。
まぁ、そもそも割とすぐに張ってくるので、長時間行うものではありません。
この工程後にホースを使った究極の血抜きを行います。
「ノズルで血が出たならもう大丈夫なのでは?結構出てるよ?」という質問があります。
確かに、ノズルでもある程度の血が抜けます。しかし、それでは100%の血抜きではないのです。
ノズルは、動脈内部のいわば本流となる血管の血を抜きにいくのですが、そもそも尾からの血抜きは動脈全体をフォローすることができません。おおよそ尾から中心部くらいまでしか血抜きが行われないと考えてもらえるとよいでしょう。
また、動脈の流れに逆らって水を流すことから、本流の動脈から広がる毛細血管に水を通すことができないのです。つまり、背骨下にある大きな動脈の血はある程度抜けるものの、枝のように広がる血管の血まで干渉することができません。
そもそも中心の大きな動脈自身の血抜きも完全に行えないので、ホースによる究極の血抜きが必要不可欠となるのです。
ここまで書くと、「じゃあ、何でノズルで血抜きをするの?」という疑問が浮かぶと思います。
ホースだけの究極の血抜きを継続して行ってみると、まれにですが身の中で血管が破裂したのか、うっ血したようになることがあります。
うっ血したからといって、究極の血抜きに失敗したのでもなく、品質にものすごく悪影響を与えるというわけではありませんが、見た目が悪くなるので、特に商売として魚を扱っている方は、うっ血を嫌います。
原因としてよく挙げられるのが、魚を釣って〆るまでに、船内で暴れて打ち身したとかそういうことが多いです。
血管内に大量の血がある状態で、えら側の大きな切り口部分から大量の水を流し水圧をかけてしまうと、うっ血してしまうリスクが高くなります。
そのため、まず最初にノズルでの血抜きを行って、動脈内の血を軽く抜いてあげましょう。この際に、本来の動脈の流れとは逆の尾から水圧をかけるので、毛細血管には水が流れにくくなるのです。これによって、毛細血管内でのうっ血リスクを最小限にすることができます。
そして、動脈内の血を減らすことで、エラからのホース血抜きを行った際に、毛細血管にしっかり水圧がかかっても、うっ血しにくくなるのです。
このように、ホースを使った本来の究極の血抜きをすることで、100%の血を抜くことができます。しかし、ノズルを使うことで、より魚をきれいな状態で120%の血抜きにすることができるんです。
ノズルというのは、あくまでもホースでの究極の血抜きを行うための補助的な工程となります。ただ、最近ではどうしてもノズルが先行しているため、改めてこの辺りは知っておくと、津本式究極の血抜きの意味が解って、血抜きをしやすくなると思います。
ちなみに、ノズルで血管内の流れを良くして、しっかりとホースで水圧をかけることは、うっ血回避以外にも意味があるんです。
次回、時間があるときに皮目の血についてご紹介したいと思います。
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